裁判判例 執行猶予期間中に、無免許の飲酒運転で交通事故を起こし、被害者を3km引きずり逃走しようとした事故は、未必の殺意が認定される。

ひき逃げし、3km引きずり死亡させた事故の判決

交通事故の概要

2008年10月21日午前4時15分頃に、大阪市の国道で、道路を横断しようとしていた男性(30)がワゴン車にはねられる事故がありました。

この事故で、はねられた男性は、事故現場から約3キロにわたり、ワゴン車にひきずられて亡くなりました。

ワゴン車を運転していた男性(24)は、執行猶予期間中に無免許で飲酒運転中に起こした交通事故であったことが、ひき逃げの原因となっています。

判決の背景

大阪地方裁判所 懲役15年

殺意があったかどうかが争点になり、 加害者は「事故で頭が真っ白になり逃げたが、引きずりには気づかなかった」として殺意を否定していました。

しかし衝突から十数秒後である場所で、異音や抵抗等「重たい感じがした」とする被告の供述に注目し、「被害者が生存していたこの時に引きずっていることを認識しながら、運転を止めなかった」ことは”未必の故意”による殺意が生じていたと判断されました。

また加害者は、この交通事故が執行猶予期間中であるにも関わらず、飲酒運転かつ無免許運転であった事も重ねて問題視し、「自己の刑事責任を逃れるため、他人の生命さえ意に介しない卑劣、身勝手極まりない犯行」と非難しました。

未必の殺意とは・・?

「未必の故意」による殺意とは、明確で積極的な殺意はないが、このまま行為を続けると 相手は死ぬかも知れないという危険を認識しながら「それでも構わない」と行動した結果、死亡させた場合に認定されます。

似た言葉に「認識ある過失」というものがあり、「これは○○になったら死ぬかもしれないが、まさか○○にはならないだろう」又は「死ぬことはないだろう」と考えて行動した結果、そうなることを言います。

 

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